河田大人こども歯科クリニック、院長の河田です。
昨日、スタディグループの勉強会に参加してきました。論文抄読会です。
今回は歯周病学の論文の内容についてお話ししたいと思います。
少し専門的な話になりますがあらかじめこ了承ください。
洗口剤(マウスウォッシュ)を比較して、どの薬剤が一番効果があるかという研究です。システマティックレビューといい、過去の論文の実験結果を分析して一つの結論を導き出す論文でした。
洗口剤の種類
現在いろんな種類の洗口剤が販売されており、それぞれメリットデメリットがあります。今回はよく使われている洗口剤3つを比較して、どれが一番、歯茎の炎症とプラークの付着率に影響を与えたかという実験。
①クロルへキシジン(コンクールF)
②エッセンシャルオイル(リステリン)
③CPC(ガム)
結果
歯肉の炎症、プラークの付着ともに有効なのは
クロルへキシジン(コンクールF)>エッセンシャルオイル(リステリン)>CPC(ガム)
であった。
考察
クロルへキシジン、エッセンシャルオイルは有効。CPCは研究数が少なく、評価が困難。セルフケアに洗口剤を取り入れるのは有効
この論文から学んだこと
歯周病予防で一番大事なことはブラッシングであり、洗口剤を使うと歯ブラシをしないでいいわけではない。洗口剤は補助的に使うべきであるが、効果はある。
歯ブラシや歯間ブラシは適切に使用しないと十分な効果が得られないが、洗口剤は使い方が簡単なので、誰にでも受け入れられる。
クロルへキシジンは最も効果があるが、日本の場合アレルギーのリスクがあるということで、非常に低濃度のものしか販売されていない。コンクールFは非常に低濃度。
日本の場合、歯周病予防で第一選択はエッセンシャルオイル(リステリン)。ただ味の好みが分かれる。好みに応じてCPC(ガム)を使用するのもいいかと思われる。
ちなみに、洗口剤の欠点は歯の着色。また歯磨き粉の発泡剤と反応して効果減弱する。
エッセンシャルオイル(リステリン)は、着色と発泡剤との反応は少ないと言われている。
どの洗口剤もメリットデメリットがある。特徴を理解して使い分けるべき。
最後まで読んでいただきありがとうございました。