山陽西二見駅から徒歩5分の歯医者、河田大人こども歯科クリニック、院長の河田です。
今回はシリーズインプラント②と題してインプラントの歴史についてお話したいと思います。
インプラントの歴史
人工物を歯の代わりに用いるのいう歴史は紀元前に遡ります。
紀元前の昔から、歯の代用として石や貝殻、動物の骨等をインプラントとして用い、歯の代用としてきました。
古代インカ帝国では、石を歯茎に埋め込んだミイラが出土されています。
古代ローマ時代では顎にに鉄製のインプラントを埋め込んでいたと言われています。
当然、顎に石や鉄を埋め込んでもすぐに排除されます。うまくいくわけがありません。
20世紀に入り、金やサファイアを用いられるようになりましたが、やはり長期間はもたず、インプラントの素材として確立できませんでした。
チタン製インプラント
スウェーデンの医師、ブローネマルクがチタンと骨が結合することを偶然発見したことから、インプラントの歴史が大きく動きました。
動物実験で、ウサギの骨にチタン製の器具を埋め込だところ、実験器具のネジとウサギの骨が結合して取れないことをたまたま発見しました。
チタンは骨と非常に馴染みがよく、骨とチタン製のネジはしっかりくっつくことがわかりました。
この性質を利用して歯を作る方法が口腔インプラントです。その後、チタンの表面性状の研究が進みました。今ではインプラントの成功率は非常に高く、上顎へのインプラントで96.2%、下顎では98.3%の成功率となっています。
なぜチタンは骨となじむのか?
なぜチタンは骨に馴染むのかは、詳しくは分かっていません。チタンは、生体不活性材料と言われており、体の中に入っても異物と認識されず、馴染んでしまう性質があります。
平たくいうと、チタン棒を骨に刺しても、骨は刺されたことに気づかず、そのまま骨の一部と勘違いして埋め込まれます。
なぜそうなるかは分からない、でもうまくいく、というのがインプラントです。ちなみに、チタンは口腔インプラントだけでなく、人工関節や骨折時のプレート固定などにも用いられており、これらでも、とても良い成績をおさめています。
チタン製インプラントは40年以上の歴史があり、信頼の確立した歯科治療といえます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。